2019.10.2 事務所通信10月号 自然災害時のリスクマネジメントについて
9月9日の台風関東直撃は皆さま大丈夫でしたでしょうか?
日本は海外に比べて(台風、大雨、大雪、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火)などの自然災害が発生しやすい国土です。
ところで、日本における自然災害被害の被害状況は以下のグラフの通りであり、「台風」の発生件数は圧倒的に多いです。しかし、被害額でいうと「地震」の被害が最も大きいとなります。
(中小企業庁HPより)
今回は、このような自然災害時のリスクマネジメントや会社が取るべき行動についてお話いたします。
まず、会社が考えなければならないことは「①従業員の安全」です。次に被害が長引けば長引くほど「②事業の継続」への対策も必要です。
【①従業員の安全について】
今回の台風のように事前に来ることが分かっている場合と、地震のように予期せずくる場合などががございますが、まずは、会社として従業員に対して「何か言ってあげること」が大切です。
休んでいいのか?来たほうがいいのか?シフトを家が近くの人と交代してもいいのか?などなど従業員はどうしていいのか分かりません。会社がきちんと、方針を示してあげてください。災害時の対応をルール化(就業規則等)にしておくことも有効です。
また、給与面でもルールを決めておくことも大切です。労働基準法的にはノーワークノーペイのため、たとえ電車遅延であろうとも労働していなければ会社は賃金を支払う必要はありませんが、他の方法として、①不就労控除をするのか、それとも②満額支払うのか、③欠勤した従業員は年次有給休暇を利用できるのか、④事前に宿泊して対応するのか、などを決めておくといざという時トラブルになりにくいです。
【②事業の継続】
災害が長引いた場合、事業がストップしてしまうかどうかは事前にリスクをマネジメントしているかによると思います。建物を免振や耐震構造にする、災害保険に加入する、クラウド化やテレワークを進めて、違うオフィスや自宅でも勤務可能にする、などがあるでしょうか。こちらも業種によって様々ですが、意識しておいたほうがよい項目ではあります。
もちろん、業種等によってケースバイケースです。災害に備えてどのようにルール化するのかなど事前に考えておきたいですね。