退職間際の年次有給休暇について
退職間際の従業員から「残った年次有給休暇を退職までの勤務日に充てたい」といわれたら、どのように対応いたしますか。退職間際の年次有給休暇について、気を付けていただきたい点をご案内いたします。
1.年次有給休暇は、労働者の権利ですから退職間際の申請に対して拒むことはできません。
2.年次有給休暇を消化させても、業務の引継ぎは確実に行わせましょう。
限られたスケジュールで行えるよう引継ぎの計画をたて、後日担当者が困らないよう引継ぎが確実に行われているか確認をしましょう。
3.年次有給休暇の買い取りを求められても、会社が応じる義務はありません。
年次有給休暇は仕事を離れリフレッシュすることが目的です。
4.退職のタイミングによっては退職日までの期間に、新たな年次有給休暇が付与されることがあります。
これについても「退職予定者だから付与しない」ということは違法になります。しかし、新たな年次有給休暇が付与されたとしても、その増えた年次有給休暇を全て消化させるために
退職日を先延ばしにする必要はございません。
最初に申し上げた通り、年次有給休暇の取得は労働者の権利です。退職時に纏めて消化され引継ぎに支障をきたすことがないよう普段から定期的に年次有給休暇を消化させる習慣があれば、退職時に纏めて消化されるようなことは避けられると思います。