2020.11.1事務所通信11月号 正社員と非正社員の間の待遇格差について(最高裁判決より)

去る10月13日から15日にかけて、国の推進する「働き方改革」の3つの柱(時間外労働上限規制、年次有給休暇時季指定、同一労働同一賃金)のうち、3つ目の「同一労働同一賃金問題」に関する最高裁判決が矢継ぎ早に出ました。

そのうち、大阪医科薬科大学事件・メトロコマース事件では、非正規職員に対して、賞与・退職金を支給しない待遇差が「不合理ではない」とされ、日本郵便事件では、各種手当や休暇に関する待遇差が「不合理である」とされました。

これを受けて経営者・人事担当者からは「非正規職員にも、住宅手当や家族手当を支給しないといけないのか?」「非正規職員には賞与や退職金は支給しなくていいんだよね?」などと相談が寄せられています。ですが、画一的にそのように理解することは危険です。

会社ごとの、正社員・非正規に期待する行動、その評価の仕方、手当・賞与・退職金に関する設計、規定の仕方によって、十人十色ならぬ十社十色ですので、一つ一つの待遇差の事情をつぶさにチェックしていく必要があります。

中小企業の同一労働同一賃金対応の義務化は2021年4月1日と迫っており、あと半年しかありません。「ウチはこれで大丈夫でしょうか?」と、ぜひご相談ください。