令和4年1月1日の法改正について
令和4年1月1日から施行される主な3つの法改正についてご案内いたします。
【 1. 健康保険 傷病手当金の支給期間の通算化 】
健康保険から給付される傷病手当金の支給期間が見直され、2022年1月1日以降は、傷病手当金の支給期間が [ 暦日で1年6か月] → [支給を受けた期間を通算して1年6か月]へ変更されます。令和2年7月2日以降に支給が開始された傷病手当金が対象となります。このことで、治療のため入退院を繰り返すなど、長期間にわたって療養のために休暇を取りながら就労する方の治療と仕事の両立をしやすくなると思います。
ご参考資料「傷病手当金の支給期間の通算化」
【 2. 健康保険 任意継続被保険者制度の見直し 】
健康保険の任意継続被保険者制度は、退職後も選択によって、引き続き最大2年間、退職前に加入していた健康保険の被保険者になることができる制度です。今回の改正で「保険料の算定方法」と「資格喪失事由」が見直されます。
<保険料の算定方法の改正>
従来の保険料の算定方法に加え、「健康保険組合の規約により、従前の標準報酬月額」とすることが可能になります。
<資格喪失事由>
「被保険者の任意脱退を認める」が加わります。従来は被保険者の希望による脱退は認められませんでした。
【 3. 雇用保険 マルチジョブホルダー制度施行 】
65歳以上の複数事業に就業している労働者が対象です。2つの事業所での労働時間を合計して一定の要件を満たした場合に特例的に雇用保険の被保険者「マルチ高年齢被保険者」になることができる制度です。
従来は、複数事業に就業していても、主たる事業所のみでの労働条件が「週20時間以上かつ31日以上雇用見込」等の要件を満たす場合に、主たる事業所のみで雇用保険に加入する、という制度でした。今回の改正で、それぞれの労働時間では週20時間以上を満たさない場合でも、2つの事業所の合計労働時間が週20時間以上を満たせば、雇用保険加入要件の一つがクリアできます。
「マルチ高年齢被保険者」として雇用保険に加入する場合や、退職の際の脱退時は、「本人が」手続をします。
事業主の皆さまは、本人からの依頼に基づき手続きに必要な証明(雇用の事実や労働時間の証明など)をしなければなりません。マルチ高年齢被保険者が雇用保険に加入するためには事業主様のご協力が必要になりますので、証明を求められた際は速やかにご対応をお願いいたします。
ご参考資料「雇⽤保険マルチジョブホルダー制度の申請パンフレット」