奨学金返還支援制度の導入に関するご案内

企業で導入検討が進んでいる「奨学金返還支援制度」をご案内いたします。

■奨学金返還支援制度とは
企業が従業員の奨学金返済を支援する福利厚生制度です。毎月の奨学金返済額の全部または一部を企業が負担し、従業員の経済的負担を軽減する取り組みです。
近年、若年層の奨学金返済負担が社会問題化している背景から、優秀な人材確保や従業員のエンゲージメント向上を目的として、導入する企業が増加しております。

■導入のメリット

  1. 採用力の強化
    奨学金を抱える新卒学生にとって、返済支援制度は大きな魅力です。
    他社との差別化を図れ、優秀な人材獲得につながります。
  2. 従業員の定着率向上、生産性の向上
    長期継続勤務を条件とすることで、離職率の低下が期待できます。特に若手社員の定着に効果的です。経済的不安の軽減により、従業員のモチベーションや生産性の向上も期待できます。
  3. 税制優遇措置の活用
    一定の要件を満たす場合、企業が負担する奨学金返還金に対して、法人税の税額控除や所得税の非課税など様々な優遇措置があります。

■導入のデメリット・留意点

  1. コスト負担の増加
    企業にとって新たな人件費コストとなりますし、長期的な負担が発生する可能性があります。返済状況の確認や支給管理など、業務的な負担も増加します。
    また、関連する税制や助成金制度は変更される可能性があり、定期的に見直しが必要になることがあります。
  2. 公平性の問題
    奨学金がない従業員との間で不公平感が生じる可能性があります。
  3. 制度設計の複雑さ
    不公平感がないよう、はじめの制度設計は重要です。特に税制優遇措置を受けるための要件を満たすには、税理士などの専門家の知識が必要です。

■制度導入のポイント
採用強化なのか、定着率向上なのか、目的を明確にした上で慎重にご検討くださいませ。

自治体によっては、奨学金返還支援制度を設ける企業を支援するための制度がございますが、対象業種が限定されていたり、支援内容も様々です。制度導入を検討する際は、自治体の支援制度も合わせて確認されると良いです。

以上です。
弊所では、本制度以外にも魅力的な職場づくりの方法について情報提供を行います。