勤怠管理のまるめ処理の違法性

出退勤時刻のまるめ処理とは、打刻時間における端数の切り上げや切り捨てを行うことです。
勤怠管理の丸め処理を行っている会社さんは多くありますが、間違った運用をすると労基法違反になりますのでご注意ください。

【 基本的にまるめ処理は違法 】
労働基準法では賃金の「全額払いの原則」があり、従業員が働いた時間は1分でも賃金を支払わなければなりません。
このため、まるめ処理は違法です。労働時間は1分単位で計算するのが原則です。

【 認められているまるめ処理 】
しかし、給与計算の複雑化を防ぐために以下の行政通達により、例外的に労働時間のまるめ処理が可能です。


1か月における時間外労働・休日労働・深夜労働の合計時間数に1時間未満の端数がある場合、
30分未満の端数を切り捨ててそれ以上の端数を1時間に切り上げること


例えば、9月の時間外労働の「合計」が、
・8時間17分だった場合、端数の17分を切り捨てて8時間に切り捨てる処理は可能
・8時間44分だった場合、端数の44分を切上げて9時間に切り上げる処理は可能

労働時間のまるめ処理が認められるポイントは、以下2点です。
□時間外労働、休日労働、深夜労働であること
□1日単位のまるめ処理は違法。1か月単位でのまるめ処理はOK

皆さまの勤怠管理ソフトのまるめ設定は正しく設定されていますでしょうか。
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給与計算の方法だけでなく、このような違法に陥りがちな点についても丁寧に解説しております。
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