育児休業期間中の保険料の免除要件の改正
10月に予定されている改正のうち、本日は「育児休業期間中の保険料の免除要件の改正」についてご案内いたします。
男性の育児休業の取得率は年々増加し、2021年度は13.97%となりました。近年の法改正や社会全体の意識の高まりも後押しして、今後も男性の育児休業は増加していくことと思われます。
一方でその取得期間についてみると、男性の育児休業は比較的短期間にとどまることが多く、その8割が「2週間以内」となっております。今回の改正ではそのような短期間の育児休業を取得した場合の社会保険料の免除についても見直しが行われました。
一般的に育児休業中は会社から給与が支払われなくなります。その間の労働者の生活の負担を軽減するために育児休業期間中は社会保険料が免除となっています。社会保険料は事業主と労働者の折半負担ですから、これは事業主にとってもありがたいことです。
では具体的にどのような場合に免除の対象となるのでしょうか。
改正前の規定では、社会保険料は「月末時点の育休取得状況(月をまたぐか否か)」により判断していました。
月をまたいで取得し休業を終えた場合、休業を終了した月の前月までが免除の対象となります。反対に休業が月をまたがなかった場合、その休業を終了した月分は免除の対象となりません。
よって今までは1か月間に短期の育児休業を開始し月末までに終了した場合、その月の保険料は免除の対象とされていませんでした。この同月中の短期間の育児休業について、改正後は「14日以上の育休を取得した場合」には保険料が免除されることとなりました。
さらに、同月内に取得した育児休業および出生時育児休業(産後パパ育休)等は、この14日を考える上で通算して計算してよいこととなりました。
ただし賞与にかかる保険料については「連続して1か月超の育休取得者」にかぎり免除対象とされることも追加となりました。これは賞与にかかる保険料免除を目的として賞与の支給月に育休の取得が偏らないようにするための対応といえます。
詳しくは厚生労働省のHPの資料をご覧ください。
法改正により育児休業の選択肢が広がりました。先に述べたように保険料免除は労働者だけでなく事業主にとってもメリットのあることですから、その取得期間についてしっかりと把握しておく必要があります。